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リベンジ

「身代わり伯爵」シリーズの二次創作です。


リヒャルトとミレーユのカップリングで、糖度高めで頑張りました。

もうすぐバレンタインなので・・・・


聖誕祭ネタで!
(贈り物っていう共通点が・・・ね?)


ちょっと長くなってしまったので、ご注意ください。


※『身代わり伯爵の挑戦』では、ミレーユとフレッドの誕生日と聖誕祭が同日となっていました。
私は聖誕祭を固定の祝日ではなく、月と週が決まっている祝日に設定しました。
本編で明記されていたら、ごめんなさい。私の勉強不足です。


「ね、アンジェリカ。相談っていうか、協力して欲しいことがあるんだけど…。実はね……。」

ミレーユから相談を持ちかけられたのは冬の昼下がりだった。
それは、眩しいほど楽しくて成功すれば、この事だけで手帳が1冊埋まることだろう。
アンジェリカは当然ミレーユの申し出を快諾し、計画通りに動いた。
少しでも抜かりがあってはならない。
少しでも気疲れてはならない。
全ては内密に事を運ぶ必要がある。そうしなければ、「その時」の楽しみが半減してしまう。

「ミレーユ様。お持ちいたしました。」
男物の上着と毛糸を持ったアンジェリカが声を低くしてそう告げると、ミレーユは頷いて寝室へ促す。
「ありがとう。アンジェリカ。じゃ、早速始めたいんだけど、教えてくれる?」
「分かりましたわ。まずは最初に立ち上がりの目を作ります。
糸の端で大き目の輪を作って、輪に親指・人差し指・中指を入れて、糸の両端を薬指と小指で押さえます。編み棒を2本とも持って・・・。」
アンジェリカの解説と動きを真似してミレーユも手を動かす。
それから毎日、暇があればアンジェリカと2人で寝室に籠もった。


「前のよりは、ましに出来たと思うわ!」
計画を始めて1週間後、ミレーユは完成した物を広げながら、出来栄えを確認する。
「その時」はもう迫っている。
しかし、完成したからと言って、油断してはならない。
決行は今日の夜。
2人は何としても成功させなければならないのだから。



(最近、ミレーユの様子がおかしい……。)
リヒャルトは一人で昼食をとりながら、最近のミレーユを思い浮かべていた。
暇さえあれば、アンジェリカと自室に籠もってしまう。お互い時間に都合を付けて、なるべく食事や休憩を一緒に過ごすようにしていたのに、最近では『ごめんね!今ちょっと手が放せなくて!』と断わられる事がしばしばだ。
なにか隠し事をしている事は分かる。しかし・・・
(正直、面白くない……。)
こんなにも一人の食事が味気ないものだったと思い出し、彼女の存在の大きさを見せ付けられる。


リヒャルトはその日の政務を終わらせて、自室に戻った。
ミレーユに会えずに消化不良のリヒャルトは、今からでも会いに行こうかと考えていた。けれどいくら婚約したとはいえ、夜中に女性の部屋を訪ねるのは気が引ける。
仕方な、寝間着に着替えようとしていた時、扉が軽い音を立てる。
「リヒャルト、いる?……もう寝ちゃった?」
扉の向こうから聞こえたのは、ミレーユの声だった。
「ミレーユ?どうしたんですか?こんな時間に。」
リヒャルトは驚きながらも急いで扉を開く。


扉が開かれると、少し驚いた顔のリヒャルトがいた。
「えっとね、ちょっと会いたくなっちゃって・・。入ってもいい?」
しどろもどろだったが、リヒャルトは笑って招き入れてくれた。
「えぇ、もちろんです。でも、夜遅いので少しだけですよ?」
リヒャルトは部屋のソファーに促した。
「分かったわ。リヒャルト、明日も政務があるものね!」
「え、えぇ・・・。それもありますが・・・。」
まさか本心を言えないリヒャルトは、ミレーユの隣に座りながら、気を取り直して話し掛ける。
「どうしたんですか?こんな時間に」
「最近ちゃんと会えなかったじゃない?だから、何となく会いたくなっちゃって!」
「そうなんですか?」
気持ちに嘘は無かったが、真の目的は別にある。あまり言葉にすると、それがばれるかもしれない。用心しながらこくこくと頷く。
リヒャルトは少し目を見張って、すぐにとろけそうな笑顔を浮かべる。
「嬉しいです。俺もあなたに会いたいと思っていたところなので。」
「そ、そうなの?」
「はい。だから、あなたも同じように思っていてくれて嬉しいです。」
そう言ってリヒャルトはミレーユとの距離を詰める。そろそろ慣れなければならないが、どうしてもミレーユはリヒャルトの熱のこもった視線と空気に居心地の悪さを感じてしまう。
いつもこの雰囲気に流されてしまうが、今回ミレーユには使命がある。
絶対に流されてはいけない。

「そ、そういえば今日は何の日か知ってる?」
甘い空気を断ち切るように、少し大きめの声で聞いてみる。
ミレーユの顔を覗き込みながら、キョトンとしたリヒャルトの顔を見て、ミレーユは心の中でガッツポーズをした。
(よし!ちゃんと気付かれてないわね!)
「ずっとシアランにいるけど、今日はアルテマリスの暦で聖誕祭の日なのよ!?」
本当に覚えていなかった様子のリヒャルトに、ミレーユは満足したが次第に不安になってくる。
(もしかして、去年の約束も覚えてない・・?)
リヒャルトが覚えていなくても、話を出してしまった以上後戻りは出来ない。
「そ、それでね、覚えてる?去年の聖誕祭にあなたにショールを贈ろうとして、なくしちゃったでしょ?」
「そうでしたね。あの時、そうと知っていればランスロットをもう一発殴っていました。」
爽やかな笑顔で過激な発言をされて、ミレーユは驚きながらもドレスに隠していた包みを取り出す。
「その時、リヒャルトが来年の聖誕祭に、って言ってくれたじゃない?だからね、今年はちゃんと完成させたの。」
ミレーユはそういいながら、リヒャルトに包みを手渡す。
少し驚いた表情のままリヒャルトはそれを受け取り、包みを開けるとリヒャルトの髪と同じ茶色のショールが現れる。
リヒャルトはミレーユを見つめて、抱き寄せる。
「ありがとうございます」
ミレーユの肩に顔をうずめる形になり、耳元にリヒャルトの熱っぽい声が届く。
「去年のよりも、綺麗に出来上がったのよ?気に入ってくれた?」
その声の近さと熱さに、どぎまぎしながらミレーユは尋ねると、応えるようにリヒャルトの腕に力がこもる。
「気に入らないわけないじゃないですか。嬉しすぎます。」
そういってリヒャルトは至近距離でミレーユを見つめる。
突然リヒャルトは何かを思い出したように立ち上がる。机の引き出しから小さな小箱を持ってミレーユのとなりに戻ってくる。「本当はあなたの誕生日に用意していたんですが」と言いながら小箱を開けると、2つの鍵が入っていた。
金色の大きい鍵と小さい鍵で、チャームでお互いがつながれていて、持ち手にはそれぞれ小さな青い宝石が埋め込まれている。
「公都郊外の離宮の鍵です。あなたの誕生日を一緒に過ごしたいと思って…。」
ミレーユは手小箱に収められている鍵を見つめる。
「大きい方の鍵は離宮の門の鍵です。」
「小さい方は?」
「・・・・それは誕生日まで内緒です。」
思わずリヒャルトを見上げると、少しだけ意地悪な顔をして笑っていた。
「じゃ、ミレーユ。おまじないを。」
幸せな笑顔でリヒャルトはミレーユを促す。
「あぁ!耳元で願い事を言うってやつね?じゃぁ・・・。」
「そっちじゃなくて、口づけの方です。」
「へ!?」
「そういえば、フレッドが言ってました。『聖誕祭に恋人同士が贈り物をして口づけすると永遠に一緒になれる』って。俺はもうあなたと離れたくない。それ以外の願いなんてありません。」
真剣な眼差しと言葉をミレーユは躰で受けとめる。真摯な瞳でまっすぐに言われてしまうと断れない。
「・・・・わ、分かったわ。じゃぁ、目をつぶってくれる?」
「はい。」
表情を柔らげて、リヒャルトは目を瞑る。
座っているとはいえ、背の高いリヒャルトに口づけるには、背伸びをしなければ届かない。
リヒャルトの肩口に手をおいて、背筋を伸ばす。ミレーユからのキスは初めてではなかったが、なかなか慣れることができない。ぎこちないながらも、ミレーユはリヒャルトの唇に自分の唇を重ねる。
本当は一瞬のことだったかもしれないが、1つ1つの仕草が、吐息がコマ送りのように感じる。出来る事ならこの一瞬を、これからの一瞬を全て忘れたくない。
唇が離れた後、少し見つめあう。そうしてまたどちらからとなく瞳を閉じて、互いの温もりを、感触を何度も肌に刻み込む。



「素晴らしいですわ、ミレーユ様!!ご兄妹そろって私の創作活動に刺激を与えてくださるなんて!!」
そして扉の向こうでは、アンジェリカが高速でペンを走らせて、一部始終を日記に刻み込んでいた。


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comments

幸せいっぱいのリヒ×ミレにバンザイ!

こんばんは。
更新が早いですね!
新作「リベンジ」を拝読させて頂きました。

生誕祭ネタがほのぼのしていて、良かったです!
『誓約』から半年後設定ですが、
二人はまだ婚約中ですよね、きっと(笑)。
ミレーユは大好きなリヒャルトの為に、
寝る間も惜しんでショールを編んだのでしょうね・・・。
一途で健気ですものね(泣)。

目出度く、キスも解禁ですね(笑)!
二人がいちゃラブしているとホッとします。
特にリヒャルトがおあずけ状態じゃないのが(笑)。

sakuraさま

こんばんは。
いつも読んで頂いてありがとうございます。


> 更新が早いですね!

来週の更新が無理そうだったので、さっさと更新しちゃいました。
(たぶん、再来週だとこれ書いたことを忘れてるかも・・。)

> 『誓約』から半年後設定ですが、
> 二人はまだ婚約中ですよね、きっと(笑)。

そうですね。でも、あんまりリヒャルトが何でも出来るようになると、ほのぼのしなくなるような。
個人的に面白くないというか・・・。
リヒャルトには『禁欲』という言葉が似合ってるかと。


> 特にリヒャルトがおあずけ状態じゃないのが(笑)。

「名前」に続いて、なんだかリヒャルトとミレーユがほのぼのしているので、S心が目覚めてきました。
(次は絶対に我慢大会開催中のリヒャルトしてやる!)

本当に読んで頂いてありがとうございました!

バレンタイン

これを拝見して、バレンタインデーの存在を思い出しました。
記憶からバレンタインデーがすっかり抜けておりました。
(でも思い出したからバレンタインデーにはチョコケーキでも買ってきます)
なんか色々ダメ過ぎる。

二次書くやる気もなければ、書くだけの乙女要素もアタマにないのも判明しました。

ふっ(遠い目)。
読書ブログします。

楽しませて頂きました。
あかつきさまのお話は寸止めしないから、需要ありそうですね。

桔梗さま

読んで頂いてありがとうございます。


> これを拝見して、バレンタインデーの存在を思い出しました。
> 記憶からバレンタインデーがすっかり抜けておりました。

正直に言うと、こじつけです。聖誕祭のことを書いてて「ん?バレンタインか!」って気付いたので便乗してみただけなんです。
ここ何年かは、バレンタインの時期に人と合わない年間サイクルなので、さらに縁遠い・・・。

> あかつきさまのお話は寸止めしないから、需要ありそうですね。

どうなんでしょう・・・?
需要を意識して書けるほど、器用ではないのでわかりません。ただ、自分の書きたいものと、二次に求められているものが違うということは、なんとなく感じています。

とりあえず、自分のペースでがんばります!
コメントありがとうございます。

こんばんは

リンクの件ですが、そちらから来られる方がいらっしゃるようなので、こちらからもリンクを張らせて頂きました。

ただ、今後の二次については、あんまり前向きではないので(笑)、こちらからリンクしてもアクセス数アップにはならないかもしれません。
ご了承下さい。

また別館に遊びに来てくださると嬉しく思います!
では!

Re: こんばんは


桔梗さま
了解しました。

またそちらにお邪魔しますね。
これからもよろしくお願いします。

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あかつき

Author:あかつき
地域 :兵庫県
血液型:B型

☆好きな漫画☆
『フラワーオブライフ』
『ハチミツとクローバー』
『ベルサイユのバラ』
『君と僕。』
『風光る』『海街diary』
『あさきゆめみし』
『天才ファミリーカンパニー』
など

☆好きなラノベ&小説☆
『身代わり伯爵』
『彩雲国物語』
『伯爵と妖精』
『死神姫の再婚』『十二国記』
『銀河英雄伝説』
『嗤う伊右衛門』『魍魎の匣』
など

☆好きなアニメ☆
『マクロスシリーズ』
『夏目友人帳』『とらドラ』
『銀魂』『ヘタリア』
など

主に『身代わり伯爵』シリーズの二次創作を置いています。
よろしければ、どうぞゆっくりしていってくださいね。

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