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手紙 ミレーユ編

こんにちは。


お久しぶりです。

すぐに更新できると思っていたら、さすが師走・・・早いです。
時間の流れが。

この忙しい時期に、私を思い出してここに来てくださった方。
ありがとうございます。

前々から、書きたいなと思っていた、「手紙 ミレーユ編」です。
前の「手紙」同様、特にオチとか無いです。(もしかしたら、久しぶりなので更なる駄文になっているかも・・・。)

苦手なミレーユ・・・頑張りました。


時間が許しましたら、読んでいってください。



「ミレーユ!手紙が来てるよ!」
「……。」
「…ミヒャエル君から」
「ホント!?」
「…はい。」


呆れ半分のジュリアから、ミレーユは手紙を受け取る。

手紙を一人で読むために、すぐに開封したい気持ちを抑えながら、自室への階段を上がる。

以前、ミレーユは、フレッドの身代わりでお世話になったリヒャルトにお礼の手紙を書いていた。
ミレーユがアルテマリスにいたときも、リヒャルトは何かと忙しく仕事をしていた。そのため、返事が来ることはあまり頭になかった。とにかく、バカな兄に付き合わせたこと、何度も助けてもらった事への感謝の気持ちを伝えたかった。

封筒を開けると、見覚えのある整った文字が目に入る。



『ミレーユへ。手紙ありがとうございます。貴女が無事、オールセンさまのお宅に着いてなによりです。
アルテマリスでは、貴方を危険なことに付き合わせてしまい申し訳なく思っています。……』


不思議に高鳴る胸を抑えながら、ミレーユは続きを読み進めていく。


『ミレーユが早くいつもの生活に戻れることを心から祈っています。
今はまだ、リディエンヌ様誘拐の事後処理がありますが、徐々に通常の任務に戻りつつあります。
こちらが全て処理できたら、またアルテマリスにいらしてください。今度は身代わりのためではなく、遊びに。

           貴女の健康と多幸を祈って ―リヒャルト・ラドフォード』

ミレーユは手紙の最後を読んで、アルテマリスにいた時を思い出す。

(・・・確かに。宮廷に出仕してたから全然遊んでなかったのよね。せっかくアルテマリスに行ったんだから、観光しこればよかったわ。)

それでも、遊べなかった事に不満を感じなかったのは、それ以上に楽しい、いや騒がしい日々を過ごしていたからだろう。

リヒャルトの字で書かれた「今度は身代わりのためではなく、遊びに。」というフレーズを思い出す。

(―ほんとに行ってもいいのかな。)
アルテマリスにいた頃、ミレーユが見たリヒャルトの姿は本当に忙しそうだった。
あの時は、通常の勤務に加えてミレーユの護衛と身代わりのフォローもこなしていた。今考えてみれば、さらにフレッドの計画も同時進行でこなしていたのだろう。

(それなのに私ったら、いつもリヒャルトに八つ当たりして・・・。)

申し訳なさと一緒に、リヒャルトの顔が瞼に蘇る。
(本当に優しいのよね・・・。で、あの顔でしょ?そりゃぁ、もてるわよねぇ・・・。)

しみじみとそう考えた瞬間、ミレーユの胸にもやもやとした霧が立ち込めてきた。

(・・え?なんだろ、これ・・・?)

経験した事の無い感覚にミレーユは戸惑ってしまう。
未知の感覚は不安と、更なるもやもやを伴って深まるばかりだった。

「ミレーユ!!ちょっと配達頼まれてくれない!?」
「―!」

階下から届いたジュリアの声で、ミレーユは暗い霧から開放される。

「ミレーユ!?」
「は、はーい!すぐに行く!!」

ジュリアの声に急き立てられて、ミレーユは手紙を引き出しにしまい、階段を駆け下りる。


ミレーユはジュリアから、配達物と配達先を確認して外に出る。



すっかり暖かくなったサンジェルヴェの風が、短くなったミレーユの髪を撫でる。

風に踊る髪をうなじで感じながらミレーユは、アルテマリスで過ごした日々といつもどおりの生活を考えていた。


(もう、きっとアルテマリスは私には関係の無い世界なのよね・・・。こんな風にいつもの生活が戻って・・・。)


このまま、パン屋を継いでくれるお婿さんとジジスモンで暮らしていくのだと、ミレーユは考えている。


しかし、自分の心の中に少しの寂しさが芽生えていることに気付いていない。


家を出る寸前に胸に広がった、暗い霧のことをミレーユはすっかり忘れて、目的地を目指して歩いている。


アルテマリスの日々がミレーユに与えた変化は、髪形だけでない事をまだミレーユが気付かない。


そしてミレーユは、翌日フレッドからまた手紙が届く事も当然知らない。







お付き合いありがとうございました!
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comments

こんばんは。
早速、『手紙 ミレーユ編』を拝読させて頂きました!

良いですね~。リヒャルト編に続いてミレーユ編!
ミレーユを描くのが苦手とは思えませんでした。可愛かったです!
二人のほのぼの話を読めて、ニヤニヤしてしまいます(笑)。
何気に二人は、清い文通から始めていたんですよね~(笑)。

ASUKA2月号から『身代わり伯爵の結婚』連載も始まりましたし、
新刊も2月発売がめでたく決まりましたね。
年末年始は『身代わり』祭りで、万歳三唱です!

 こんばんは。
 クリスマスにアップですねー。
 お手紙シリーズ待ってました。

 なんだか最近、アルテマリスの頃の雰囲気が懐かしいと言うか、遠いところまで来ちゃったなーと言うか。
 わたしも初心に戻ってアルテマリス編を読み直そうかしら(笑)?

 それでは良いお年をお迎えくださいね。

PS 余計なお世話ですが、前からカテゴリーのところの字がサイドバーからはみ出しているのが気になっていました。
 多分、字の大きさを小さくすれば納まるのではないかと思うのですけれど……。

Re: タイトルなし


sakuraさま

読んで頂いて、コメントも頂いて、ありがとうございます。

ニヤニヤしていただけたなら幸いです。
この時の2人は、何も無いようで、しっかり気持ちが育まれてるんですよね。

『身代わり伯爵』の新刊、ホント楽しみですね!!
いろんな妄想しながら年末年始を過ごしてしまいますね。

Re: タイトルなし


桔梗さま

こんばんは。
読んで頂いて、コメントもして頂いて、ありがとうございます。

シアラン編の甘い感じも大好きですが、アルテマリス編のほんのりした感じも素敵ですよね。

助言ありがとうございます。
そうすればよかったんですね。あんまり気にして無かったのですが、さっそく変えてみます。

それでは、桔梗さまも身体に気を付けて、良いお年を。

No title

初めまして。藍華と申します。
とても面白いですね。
あと、もうご自分で気付かれてるとは思いますが、
“サンジェルベ”ではなく“サンジェルヴェ”です。
すみません。
わざわざ言うことではないですよね。
本当に申し訳ございません。
でも、本当に面白いですね。
Webページで読む作品で、お世辞でなく、
本当に面白いと感じた作品は久しぶりなので、
この作品を読むことが出来て嬉しく思っております。

藍華さま

はじめまして。あかつきといいます。
読んで頂いて、コメントまで頂いて本当にありがとうございます。


>あと、もうご自分で気付かれてるとは思いますが、
>“サンジェルベ”ではなく“サンジェルヴェ”です。

気付いていませんでした!
ご指摘ありがとうございます。あとでこっそり訂正します。


>Webページで読む作品で、お世辞でなく、
>本当に面白いと感じた作品は久しぶりなので、
>この作品を読むことが出来て嬉しく思っております。

ありがとうございます。そう言って頂けると本当に幸せな気分なります。

まだまだ未熟者で、お目だるい点はあると思います。
また、何かお気づきの点がありましたら、遠慮なく仰ってください。

これからもマイペースながら更新していきたいと思っているので、
その時は是非いらしてください。

本当にありがとうございました。

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あかつき

Author:あかつき
地域 :兵庫県
血液型:B型

☆好きな漫画☆
『フラワーオブライフ』
『ハチミツとクローバー』
『ベルサイユのバラ』
『君と僕。』
『風光る』『海街diary』
『あさきゆめみし』
『天才ファミリーカンパニー』
など

☆好きなラノベ&小説☆
『身代わり伯爵』
『彩雲国物語』
『伯爵と妖精』
『死神姫の再婚』『十二国記』
『銀河英雄伝説』
『嗤う伊右衛門』『魍魎の匣』
など

☆好きなアニメ☆
『マクロスシリーズ』
『夏目友人帳』『とらドラ』
『銀魂』『ヘタリア』
など

主に『身代わり伯爵』シリーズの二次創作を置いています。
よろしければ、どうぞゆっくりしていってくださいね。

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