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水中花

銀魂の二次です。

銀魂高校3年z組設定の沖田×神楽です。
今日の星占いは1位だった。



しかし、そんなものあてにならない。
その証拠に、寝坊した。その上、登校途中、駅から出たときに雨が振りだしていた。


最悪だ。


何が「全てうまくいく1日」だ。
心の中で、罪のない女子アナに毒づく。




ようやく、学校に到着し、教室に入ると、既に授業が始まっていた。
遅刻を咎める教師の声を適当に受け流し、席につく。
社会科担当の教師は、教頭のようにうるさくはないが、遅刻に対して平然としている態度は癇に障ったようだ。



だめだ。昨日クラスメイトから借りたゲームのしすぎで、まだ眠たい。
椅子に座ると、余計に眠たくなる。

また、教師の怒る声が聞こえるが、そんなものは睡魔の前では簡単に膝を折る。
雨が窓に叩き付けられる音さえも睡魔の味方だ。




睡魔との連敗記録更新中。。。








濡れた制服が寒い。寒さで目が覚める。

気付けば、授業は終わり、休み時間になっていた。


雨は少し弱まっているようだ。



視線を上げると長身の男が2人立っていた。いつもなんとなく、つるんでいる2人だ。

1人は「また、寝坊か?仕方ない奴め」とおおらかに笑う。

「まぁ、そんなとこでさぁ」と愛想笑いする。
彼が体操服の短パンだけの格好であるのはスルーだ。大体の見当はつく。


もう1人が「どうせ、昨日夜遅くまでゲームでもしてたんだろ?」とバカにして鼻で笑う。

「うるせぇ。あんたには関係ねぇだろぃ。ついでに雨に打たれて死ね。」
奴に対しては、なぜかいらいらする。気に入らない。


それぞれ、また言い返しているみたいだが、ほとんど頭の中まで入ってこない。



既に意識は別のことにとらわれてしまっている。



意識の先は、早くも1限終わりで早弁をしている、外国人留学生の女の子だ。

華奢な体つきの癖に、そこらの男より数段強い。

しかも大食いだ。

今も、弁当箱を持ち上げ、箸でご飯を口に流し込むという、女の子にあるまじき行為で食欲を満たしている。

クラスメイトの女の子に注意されているようだが、その言葉が彼女の耳に届いているのかは怪しい。



気が付けば、目の前で短パン男が床に伏して泣いている。

どうやら話を聞いてもらえない事に対して悲しんでいるようだ。
申し訳ない気持ちをひねり出し、言葉だけで謝り、話を促す。


予想を裏切らないどうでもいい内容だった。
好意を抱いている女の子の気を引くための傘を忘れて登校中に濡れたことにしているらしい。
気を引かれているらしい当の女の子は、こちらに背を向けている。
かわいそうに彼の努力は届いていないようだ。




その後も、つまらない授業とクラスメイトとの会話が繰り返される。

ホームルームの頃には、制服がすっかり乾いていた。

このクラスは個性的な担任と生徒だから、正直退屈はしないが、やはりなぜかつまらない。



ようやく、学校から開放される。

しかし、帰っても特にすることはない。

どうやって今日という日を乗り越えようか。




そんな事を考えていると、1限目の教師から呼び出された。

教師の怒りの言葉を適当に受け流すが、その態度が余計に教師の神経を逆撫でしたようだ。

早く帰るために、ここは教師の求める高校生をして開放してもらおう。



教師は納得したのか、諦めたのかはわからないが、なんとか話が終わり、職員室から出た。

すでに学校には、部活動中の生徒しかいなかった。


どうやら雨はまだ降り続いているらしい。


教室に戻って、クラスメイトの誰かの置き傘を拝借して帰ろう。
たしか折りたたみ傘が1つあったはずだ。





下駄箱から靴を出して、上履きから履き替えたとき、後ろから下校する生徒が歩いてくる。

こんな時間帯に珍しいと振り向くと、外国人留学生のクラスメイトだった。



「お、お前も今帰りアルか?」
日本語に慣れきれない様子で話しかけてくる。


「まぁな。お前は?」
予想外の人物で驚いたが、表面には出さない。


「ほっとけヨ。・・・お前には関係ないネ。」
尻すぼみになりながら、ぶっきらぼうに答える。

そして、さっさと外に向かって歩き出す。


校舎から少し出たところで立ち止まり、小さな声で



「・・・・入るアルか?・・・」


一瞬、何を言われたのか分らなかった。



「・・・・・・・え?」



「・・・・・だから!傘!持ってないなら入れてやるネ・・・。朝も濡れて寒そうだったし・・。別に・・傘があるならいいアル。」

回答を待たずに、さっさと帰ろうとするので、慌てて引き止める。


「ない!!・・傘、ない!」

とっさに、教室から拝借した折りたたみ傘の存在を隠滅して返事をする。


なんとか彼女を引きとめ、急いで彼女の小さな傘に入る。


彼女は傘の位置を少し上げて、歩き出す。

しかし、身長差は多少、傘の位置を上げても効果はない。

その証拠に、今も傘の先が歩調に合わせて頭にあたっている。


駅までの道、2人は無言だった。彼女が不機嫌だったのだろう。



歩いている間ずっと下を向いていた。


自分も、この彼女との至近距離を意識しないようにすることで必死だった。


普段何気なく歩いている道程がいつもより長い。


駅が自分達から逃げ出しているようだ。


けれど、今なら、駅が遠くなっていてもかまわないと思う。


しかし、駅は動かない。

当然のことにがっかりし、傘に入れてくれたことにお礼を言い、駅で別れた。

どうやら、途中で雨は止んでいたようだ。

降ってもいないのに2人で傘に入り、歩いている様子は、周囲には奇妙だったに違いない。




電車の中で、彼女の『朝も濡れて寒そうだったし・・・。』という言葉を思い出した。


なんとなく恥かしさと嬉しさが成長して、顔に出そうだ。


心なしか、駅の階段を下りる足取りが軽い。



やっぱり、今日の星占いは1位に違いなかった。






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あかつき

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☆好きなラノベ&小説☆
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☆好きなアニメ☆
『マクロスシリーズ』
『夏目友人帳』『とらドラ』
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主に『身代わり伯爵』シリーズの二次創作を置いています。
よろしければ、どうぞゆっくりしていってくださいね。

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